自動車に搭載されるECU（Electronic Control Unit）は、車載環境の厳しい温度・湿度・振動条件下でも高い信頼性が求められます。そのため、基板表面への防湿コーティング（コンフォーマルコーティング）による絶縁保護は不可欠です。
しかし、従来の塗布装置では以下のような課題が発生していました：

• 塗布エリア以外への液剤飛散
  ノズル制御の精度不足により、意図しない箇所へ液剤が付着し、回路間ショートや絶縁不良の原因となっていた。
• 塗布開始点・終了点の液だまりや膜厚ムラ
  吐出の安定性が低く、開始・終了位置に余分な液が溜まり、防湿層の品質ばらつきが発生。
• 基板端部での液だれ・気泡混入
  液剤の過剰吐出や気泡混入により、仕上がりの外観品質や長期耐久性に悪影響を及ぼしていた。

当社の高精度ディスペンサーとコーティング専用バルブを組み合わせた自動塗布システムにより、以下の効果を実現しました：

• 塗布線の安定化と飛散の抑制
  SV70コンフォーマルコーティングバルブに搭載された スクウェアノズルが、吐出角度と液量を精密に制御。非接触でありながら、シャープな塗布線を形成し、飛散ゼロを達成。
• 膜厚の均一化とエッジ精度の向上
  塗布開始点・終了点でも液だまりがなく、エッジまで均一な膜厚が維持されることで、 塗布不良の大幅な低減と品質安定化が実現。
• 気泡混入の低減と密着性向上
  高速かつ安定した吐出動作により、気泡の混入が抑えられ、防湿層の密着性・信頼性が向上。長期耐久性が求められるECU製品への対応力が向上。
• 現場作業性の向上と再現性確保
  インライン型のAXELIA自動塗布装置により、簡単なティーチング操作のみで複雑形状に対応。 再現性の高い塗布を自動化し、作業効率と歩留まりが大幅に改善。