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自動車・自動車部品

モーター内部の磁石部への2液ポッティングによる信頼性向上と耐久性確保

課題背景

EVやHVをはじめとした電動化車両では、高効率・軽量・高回転化した電動モーターの性能と信頼性が製品競争力に直結します。ローター内に組み込まれる永久磁石の固定と保護には、2液性エポキシまたはウレタン系材料によるポッティング(樹脂封止)が用いられています。しかし従来の手法では以下の課題が顕在化していました:

  • 混合比のわずかなズレによる硬化不良・密着不良
    A剤とB剤の混合比が安定せず、硬化が不完全になるケースや磁石との密着不良が発生。モーター回転時の信頼性低下や長期耐久性への懸念につながる。
  • 気泡混入による性能劣化
    混合不良や吐出ムラにより気泡が残存すると、回転バランスが崩れ、振動・異音・発熱の原因に。
  • 樹脂の充填不足・偏りによる固定力不足
    狭小な隙間への均一充填が難しく、樹脂が偏在すると磁石固定力や振動耐性が低下し、最悪の場合は磁石脱落のリスクもある。

導入効果

eco-DUOディスペンサーの導入により、以下のような成果が得られました:

  • 混合比の安定化で硬化不良・密着不良を解消
    A剤・B剤を容積式で同時に定量供給し、自動制御により混合比を±1%以内で安定化。わずかな比率ズレによる硬化不良や密着不良を防ぎ、磁石固定の信頼性とモーターの長期耐久性を確保。
  • 気泡の混入を低減・均一ポッティングの実現
    高精度の混合・吐出制御により、微小な隙間にも樹脂を均一に充填可能。連続的で切れ目のない充填により気泡混入や樹脂の偏在を抑制し、回転時のバランス性・振動耐性を向上。
  • 自動化による生産性と再現性の大幅向上
    手作業で課題だった混合精度や充填ムラが排除され、誰が作業しても均一品質を確保。液剤の準備や清掃の手間を削減し、材料ロスも低減。結果として、安定した量産とコスト削減を両立。

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導入製品

2液容積式高精度マイクロディスペンサー
preeflow® eco-DUO330/450/600

eco-DUOシリーズは、高精度な2液混合と定量吐出を1台で完結できるマイクロディスペンサーです。特に磁石部などの微小エリアのポッティングや高信頼性が求められる部品封止に最適です。

  • ±1%以内の定量混合・吐出精度
  • 高粘度/低粘度材料どちらにも対応可能
  • 微小隙間・曲面部にも均一注入が可能
  • 封止品質を確保し、振動・衝撃・熱から保護
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