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エネルギー

太陽電池ユニット基板への防湿剤塗布における気泡問題を解消し、均一塗布と耐久性向上を実現

課題背景

太陽電池ユニット基板は屋外環境に長期間さらされるため、湿気や塵埃、温度変化から回路を守るために防湿剤(コンフォーマルコーティング)の塗布が必要なケースがあります。

しかし従来の塗布工程では以下の課題がありました:

  • 気泡の発生による防湿性能低下
    塗布中に発生した気泡が硬化後も残留すると、防湿層に空隙が生じ、部分的に保護機能が低下。耐久性や信頼性が損なわれ、故障リスクが高まっていた。
  • 飛散やムラによる外観不良と効率低下
    ノズルからの飛び散りや塗布ムラが発生しやすく、基板全体を均一に保護することが困難。リワークや検品工程が増加し、生産効率が低下していた。
  • 量産ラインでの安定性不足
    塗布開始・終了時の吐出が安定せず、液切れ性の悪化により塗布精度がばらつく問題があり、大量生産工程で歩留まりを下げる要因となっていた。

導入効果

  • 気泡問題の大幅改善
    従来は防湿剤の塗布過程で気泡が発生しやすく、硬化後に残留すると部分的に防湿効果が低下し、耐久性や信頼性に大きな影響を及ぼしていました。SV70のスクウェアノズルを採用することで、吐出時の液流が安定し、飛び散りや乱流の発生を防止。塗布面への材料供給が均一になり、塗布中の気泡混入が大幅に抑制されました。その結果、防湿層の欠陥や不良率が低減し、長期信頼性の高い製品を安定して供給できるようになりました。
  • 均一な防湿層形成
    太陽電池ユニットは基板全体を均一に保護する必要がありますが、従来のノズルでは塗布幅が狭く、重ね塗りによるムラや塗布不足が発生していました。SV70は低流量でも広い塗布幅を形成できるため、一度のストロークで広範囲を均一にカバー可能。さらに、液流が安定していることで厚みムラも最小限に抑えられ、防湿剤が基板全域に均一に行き渡ります。これにより、耐湿性・耐候性が向上し、屋外環境にさらされる太陽電池ユニットにおいても、長寿命化と高い信頼性を実現しました。
  • 量産工程での効率向上
    高速応答性と優れた液切れ性により、塗布開始・終了部での不良が減少。リワーク工数の削減とタクト短縮により、生産効率が改善された。

導入製品

コンフォーマルコーティング用バルブ SV70

太陽電池基板の防湿剤塗布に適した高精度バルブ。スクウェアノズルを採用することで、飛び散りの少ない安定したコーティングを実現します。

  • スクウェアノズルにより、低流量でも幅広い塗布が可能
  • 塗布開始・終了時の吐出が安定し、気泡や飛散を防止
  • 高速応答性で複数箇所の局所塗布にも柔軟に対応
  • メンテナンス負荷を軽減し、長期安定稼働をサポート
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専用コントローラー SVC720F

SV70の性能を最大限に発揮する専用コントローラー。高速かつ安定した塗布制御により、大量生産ラインでのタクト短縮に貢献。

  • 高速応答制御により液切れ性を改善
  • 防湿剤特有のミストや飛散を抑制
  • フラット設計で装置搭載が容易
  • 高速かつ高精度なコーティングを安定して実現
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