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食品

食品製造工程における高粘度材料の安定塗布による品質向上と生産効率改善

課題背景

菓子やパンの製造工程では、アイシングやチョコレートによる装飾、ジャムやシロップの充填といった工程が、製品の「見た目」「味」「ブランド価値」を左右する重要な要素です。
しかし、これらの材料は粘度が高く、さらに温度や含有成分によって粘性が大きく変動するため、安定した塗布や移送が難しいという課題がありました。

  • 高粘度材料の移送困難
    温度変化や果肉など固形分の影響で流動性が変わりやすく、均一に吐出できずムラや塊が生じやすかった。これにより、製品の仕上がりに不均一さが目立ち、品質ばらつきの原因となっていた。
  • 部品点数の多さによるメンテナンス負荷
    従来のディスペンサーは複雑な構造を持ち、分解や洗浄に時間がかかるうえ、部品交換コストも高く、メンテナンスの負担が大きかった。結果としてダウンタイムが長くなり、生産性に影響していた。
  • 塗布精度と厚みのばらつき
    流量制御が安定せず、ビスケットやケーキへのデコレーションでは塗布の厚みにムラが発生。外観の統一性や食感が損なわれ、量産時の品質保証が難しい状態だった。

導入効果

  • 高粘度材料の安定移送を実現
    VHDサニタリーディスペンサーは、容積移送式の「エンドレスピストン原理」を採用し、ジャムやチョコレートのような粘度の高い材料でも脈動のない安定吐出を実現。材料特性を損なわず、均一な塗布を可能にしました。これにより、仕上がりの美しさだけでなく、味や食感の均一化にもつながりました。
  • メンテナンス性の向上とダウンタイム削減
    部品点数が少ないシンプル構造のため、分解・洗浄が容易。食品製造現場で頻繁に求められる衛生管理にも適合し、洗浄工程の短縮によってライン停止時間が減少。結果として、設備稼働率と生産効率が大幅に改善しました。
  • 高精度な流量制御で品質安定化
    ±1%の吐出精度により、ビスケットへのアイシングやケーキ表面のシロップコーティングでも線幅や厚みを均一に保持。外観品質が安定し、リワークや廃棄が減少しました。製品ごとのばらつきがなくなることで、消費者への提供品質も安定。ブランドイメージの向上にも貢献しました。
  • 食品安全性と国際基準への適合
    VHDシリーズは食品産業向けに設計されており、EHEDG・FDAといった国際ガイドラインに準拠。高粘度食材を扱いながらも、食品安全規格に適合した製造プロセスが構築でき、グローバル市場での信頼性確保にも寄与しました。

導入製品

VHDサニタリーディスペンサー(食品向けシリーズ)

食品産業向けに開発された高粘度対応ディスペンサー。アイシングやジャムなどの装飾・充填工程で安定した吐出を実現。

  • 容積移送式で±1%の吐出精度を実現
  • 液体フレーバーから高粘性半固体・果肉入りジャムまで幅広く対応
  • サニタリーデザインで洗浄が容易、食品業界基準(EHEDG、FDA)に準拠
  • 材料特性を保持しながら、均一な流量制御で外観品質と食品安全性を両立
  • シンプル構造によりメンテナンス時間を短縮し、生産効率を向上