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ホビー・スポーツ用品

卓球ラケットへの瞬間接着剤線塗布による均一接着と歩留まり改善

課題背景

卓球ラケットは、木製ブレードとラバーなど複数の部材で構成されており、強い打球力とコントロール性能を実現するためには、これらの部材を均一かつ確実に接着する必要があります。 しかし、従来の瞬間接着剤塗布工程には以下の課題がありました:

  • 低粘度液剤の制御困難
    瞬間接着剤は低粘度で流動性が高く、塗布時に液ダレやはみ出しが発生しやすく、外観不良や製品不良の原因となっていた。
  • 圧着工程でのはみ出し
    塗布量が安定しないため、圧着後に接着剤が均一に広がらず、はみ出しや気泡が発生。これによりラバーの浮きや剥がれにつながるリスクがあった。
  • 品質ばらつきによる歩留まり低下
    塗布精度がオペレーターの熟練度に依存しており、接着品質にばらつきが発生。検品やリワーク工数が増大し、生産性が低下していた。

導入効果

高精度ダイアフラムバルブSV62と高精度標準バルブコントローラーSVC720Vの組み合わせ導入により、以下の効果が得られました:

  • 液ダレ防止と優れた液切れ性
    SV62の迅速で確実なシャットオフ動作により、瞬間接着剤でも液ダレがなく、美しい線塗布を安定して実現。
  • 均一な接着層形成
    圧着後に接着剤が均等に広がり、ラバー全面に均一な接着層を形成。剥がれや浮きがなく、打球時の性能安定につながった。
  • 歩留まりの向上と生産効率改善
    塗布量と位置の再現性が高まったことで、検品やリワークが削減され、歩留まり率が向上。量産工程における安定性も大幅に改善。
  • 作業の標準化
    オペレーターの熟練度に依存せず、誰でも同じ品質の塗布を再現可能。製造プロセスの標準化に貢献。

導入製品

ダイアフラムバルブ SV62

液剤と反応しない不活性ポリマー樹脂を採用し、瞬間接着剤のような低~中粘度液剤を液ダレなく均一に線塗布できる高精度バルブ。SV62は、迅速で確実なシャットオフ動作により液ダレを防ぎ、ラバー端部でもにじみのないクリーンな線塗布を実現します。また、ラケットの丸い形状や広い塗布面でも均一な塗布が可能。

  • 瞬間接着剤でも液ダレのないシャープな線塗布を実現
  • 圧着後に均一に広がる接着層を形成し、ラバーの剥がれを防止
  • 小型・軽量設計で卓球ラケットのような中小型ワークにも適応
  • 長時間の量産工程でも安定した吐出を維持
  • 迅速シャットオフで液ダレ防止、優れた液切れ性を保持
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高精度標準バルブコントローラー SVC720V

SVC720VはSV62専用に最適化されたコントローラーで、卓球ラケット製造に求められる微細な線塗布制御と高い再現性を実現します。デジタル制御による安定した吐出により、作業者依存を排除し、製造ライン全体での歩留まり向上をサポートします。

  • デジタル化による精密制御が可能
  • 吐出応答速度を従来比10%向上
  • 精密レギュレーター内蔵で安定吐出
  • 消費電力を約10%低減
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