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ホビー・スポーツ用品

高粘度接着剤の非接触スプレー塗布により、靴底の均一接合と耐久性向上を実現

課題背景

ランニングシューズは、軽量性・耐久性・快適性をすべて兼ね備えることが求められ、アウトソール(靴底外側)とミッドソール(クッション材部分)を一体化させる工程は製造品質の中でも最も重要なプロセスのひとつです。 この接合には衝撃吸収性や耐摩耗性を高めるために高粘度の接着剤や封止材が用いられ、靴底全体へ均一かつ安定した塗布が必須条件となります。特に近年はデザイン性の向上や多様な機能要求により、靴底の形状はより複雑化しており、塗布工程の難易度が高まっています。

しかし、従来の塗布方法には以下のような課題がありました:

  • 3D形状への均一塗布が困難
    靴底は立体的な3D形状であり、曲面や深い溝、細かなパターンを持つため、従来のローラー方式や単純なニードル吐出では塗布ムラが発生。液剤が十分に行き渡らない部分では接着不足や剥離のリスクが高まり、耐久性が大きく損なわれていました。
  • 液剤の付着や飛散
    高粘度液剤を非接触式で塗布すると、飛散や液だまりが生じやすく、外観不良や材料ロスにつながった。
  • 生産効率の低下
    不均一な塗布により、検品や再塗布の手間が増加。大量生産において歩留まりの低下を招き、生産コストを押し上げていた。

導入効果

当社の高粘度用スプレーバルブSV01Sを導入することで、以下の改善効果が得られました:

  • 3D形状に非接触で均一な塗布を実現
    従来は靴底の3D形状や曲面に均一に塗布することが困難でしたが、スプレー制御により安定した広範囲塗布が可能に。液剤の不足や余剰付着を防止し、美観性と接着信頼性を両立しました。
  • 飛散抑制による材料ロス削減
    従来のスプレー方式では液剤飛散が課題でしたが、高精度スプレー制御により飛散を最小限に抑制。使用量を最適化することで、材料コストを大幅に削減しました。
  • シューズの耐久性・信頼性向上
    靴底とアッパーの接着品質が安定することで、長期間の使用でも剥がれや接着不良が発生しにくく、耐久性が飛躍的に向上。輸送や市場流通後の不良リスクを低減し、ブランド価値向上にも貢献しました。

導入製品

高粘度用スプレーバルブ SV01S

最大 30,000 mPa・s の高粘度材料に対応したスプレーバルブで、特にランニングシューズやスポーツシューズの靴底接合工程に最適です。靴底の広範囲かつ立体的な形状に均一に塗布でき、耐久性と外観品質を兼ね備えた仕上がりを実現します。

  • 高粘度材料でも非接触スプレー塗布が可能で、靴底のような複雑形状に対応
  • 曲面や3D形状にも均一に追従し、靴底全体の接着層を安定化
  • 飛散を抑えた精密スプレー制御により、材料ロスを削減
  • 靴底接合用のシリコン接着剤・ウレタン接着剤・エポキシ樹脂系材料に対応
  • コントローラー SVC620S と併用することで、簡単な条件調整と高い再現性を確保
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