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家電

モーター内部の電子部品への2液性樹脂封止による信頼性向上と不良リスク低減

課題背景

電動モーター内部には基板、配線、センサーなど繊細な電子部品が集積しており、湿気や振動、温度変動からの確実な保護が求められます。そのため、2液性エポキシやウレタンなどによる封止(ポッティング)が広く用いられています。

しかし、従来の塗布設備では 主剤と硬化剤の混合比の安定性に課題があり、以下のような問題が発生していました:

  • 混合比のわずかなズレによる硬化不良
    主剤と硬化剤の流量制御が不安定で、混合比が設定値からわずかに外れるだけでも、硬化不良や未硬化が発生。これにより封止層の一部が柔らかく残ったり、逆に脆くなるケースがあり、電子部品の絶縁性や耐久性を大きく損ねていた。
  • 密着不良や空隙の発生
    混合不良によって材料特性が不均一化すると、基板や部品への密着力が低下し、微細な隙間が残留。これが振動によるクラックや剥離の原因となり、モーターの長期信頼性に悪影響を及ぼしていた。
  • 不良率の増加と検査負担
    硬化不良は外観上は判別しにくいため、工程後の検査工数が増加。量産時には不良率の上昇とコスト増加につながり、生産性のボトルネックとなっていた。

導入効果

  • 正確な混合比管理で硬化品質を安定化
    2液容積式高精度マイクロディスペンサーの導入により、主剤・硬化剤を ±1%以内の精度 で定量移送・同時供給。自動で流量を制御しながら混合を行うため、混合比が常に安定し、従来課題であった硬化不良が解消された。これにより、未硬化や密着不良のリスクがほぼゼロに近づき、製品の信頼性が飛躍的に向上した。
  • 均一な封止層の形成
    脈動のない連続吐出により、狭小部や複雑形状の基板にも均一な封止が可能となった。材料の偏りや気泡混入が抑えられ、絶縁性能と耐久性が安定。長期稼働試験においても封止層の劣化が大幅に低減した。
  • モーター信頼性の向上
    混合比管理が徹底されたことで、樹脂の硬化特性が安定。耐熱性・絶縁性・耐振動性が確実に確保され、モーター全体の寿命延長と市場不良リスク低減に直結した。特に自動車用モーターなど、高信頼性が要求される分野での競争力強化につながった。

導入製品

2液容積式高精度マイクロディスペンサー
preeflow® eco-DUO330/450/600

2液性材料の精密混合・定量吐出に対応する高精度ディスペンサー。
モーター内部電子部品封止において混合比安定化を実現。

  • ±1%以内の定量精度で主剤・硬化剤を同時移送し、正確な混合比を保持
  • 圧力・温度・時間の影響を受けない安定した吐出制御
  • 脈動のない連続吐出で均一な封止層を形成
  • 粘度差のある2液性材料にも対応可能
  • 高信頼性を求められるモーターや車載電子部品に最適
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