課題背景
半導体製造工程の中でも、ダイアタッチ(半導体チップと基板の接合)では、微小領域に導電性ペーストを極めて正確かつ安定的に塗布することが求められます。
従来の装置・プロセスでは以下のような問題が発生しやすく、生産現場での大きな課題となっていました:
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極微量制御の難しさによる塗布精度のばらつき
導電性ペーストは数ナノ~数十ナノリットル単位の微量吐出が必要ですが、一般的なエア駆動式ディスペンサーでは再現性が不十分で、吐出量やドット径にばらつきすが発生していました。
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液だれ・糸引きによる製品不良と歩留まりの低下
ペーストの粘度特性と装置の応答性が合わず、吐出終了後にノズル先端から液が垂れたり糸を引くことで、ワーク上に余計なペーストが残り、ショートや信頼性低下につながるケースが発生していました。
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高価なペーストの材料ロスとコスト増
導電性ペーストは単価が高く、1gあたり数千円に達するものも少なくありません。材料ロス(デッドボリューム)が大きいと、コスト効率の悪化リスクも発生します。
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接触式吐出によるワークへの負荷や異物混入リスク
従来の接触型ノズルでは、塗布位置の再現性に課題があり、ノズルの接触によってワークが傷つく、あるいは異物が混入するといったリスクも顕在化していました。