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半導体・SMT・電子部品

導電性ペーストの高精度塗布で信頼性とコスト効率を両立

課題背景

半導体製造工程の中でも、ダイアタッチ(半導体チップと基板の接合)では、微小領域に導電性ペーストを極めて正確かつ安定的に塗布することが求められます。
従来の装置・プロセスでは以下のような問題が発生しやすく、生産現場での大きな課題となっていました:

  • 極微量制御の難しさによる塗布精度のばらつき
    導電性ペーストは数ナノ~数十ナノリットル単位の微量吐出が必要ですが、一般的なエア駆動式ディスペンサーでは再現性が不十分で、吐出量やドット径にばらつきすが発生していました。
  • 液だれ・糸引きによる製品不良と歩留まりの低下
    ペーストの粘度特性と装置の応答性が合わず、吐出終了後にノズル先端から液が垂れたり糸を引くことで、ワーク上に余計なペーストが残り、ショートや信頼性低下につながるケースが発生していました。
  • 高価なペーストの材料ロスとコスト増
    導電性ペーストは単価が高く、1gあたり数千円に達するものも少なくありません。材料ロス(デッドボリューム)が大きいと、コスト効率の悪化リスクも発生します。
  • 接触式吐出によるワークへの負荷や異物混入リスク
    従来の接触型ノズルでは、塗布位置の再現性に課題があり、ノズルの接触によってワークが傷つく、あるいは異物が混入するといったリスクも顕在化していました。

導入効果

これらの課題に対応するため、本工程では電磁制御式の非接触ディスペンサー「NOVADOTを導入。高精度な吐出制御と非接触構造によって、次のような改善効果が得られました:

  • 高速応答×非接触×微量安定吐出
    電磁駆動方式により、高速でのON/OFF切り替えが可能となり、1ショットあたり数ナノリットルの微小量でも、均一なドット形成が可能に。導電性能のばらつきが抑制され、信頼性が向上しました。
  • 液だれ・糸引きのないシャープな塗布結果
    高応答バルブと最適化された吐出波形により、液だれゼロ、糸引きなしの安定塗布を実現。製品上の不要な液剤残りがなく、クリーンで再現性の高い塗布品質が得られました。
  • 材料ロスの最小化と運用コストの低減
    デッドボリュームが少なく、余分な液剤を使わない構造のため、材料ロスを大幅に抑制。特に高価な銀ペースト等を扱う工程では、経済的なインパクトが大きく、導入費用の早期回収が見込まれました。
  • 非接触方式による製品保護と保守性の向上
    ノズルがワークに接触しないため、摩耗や物理的な損傷が発生せず、異物混入のリスクも大幅に軽減。また、ノズル詰まりも起きにくく、装置の保守・交換頻度が低下し、作業負荷も減少しました。

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導入製品

高速電磁制御式非接触ディスペンサー NOVADOT

  • 非接触でナノリットル単位の微量塗布に対応
    電磁制御による高速開閉バルブで、1ショットあたり数nLの微小ドット吐出を安定して実現。導電性材料の高精度な塗布に最適。
  • 高粘度ペーストでも高再現性を維持
    新型高トルクエンジンと最適化された吐出波形制御により、銀ペーストなどの高粘度材料でも線径・ドット径のばらつきが少なく、均一な塗布が可能
  • 液だれ・糸引きゼロを実現する高速応答設計
    塗布終了時の液切れ性能に優れ、塗布終点の盛り・垂れ・残留が発生しにくい。製品上の不要液を防ぎ、クリアな塗布面を確保。
  • 非接触式による製品保護と装置長寿命化
    ノズルがワークに接触しないため、繊細な半導体チップや高精度FPCにも安全に適応可能。接触損傷やノズル摩耗の心配が少ない。
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