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半導体・SMT・電子部品

信頼性と生産効率を高めるDam & Fillプロセスを実現

課題背景

半導体パッケージの製造工程では、基板や電子部品の封止に「Dam & Fill」方式の液剤塗布が広く用いられています。この方式では、まず高粘度エポキシによって“ダム”を形成し、次に低粘度エポキシで“フィル”=充填を行います。しかし、従来の塗布装置やバルブでは以下のような複数の技術的課題が顕在化していました。

  • 高粘度材料の塗布で液ダレやにじみが発生しやすい
    ダム形状が不安定になり、段差などが発生。結果としてフィル範囲の均一性が損なわれ、製品品質に影響を及ぼしていました。
  • ダム用材料に硬質フィラーを含む場合、バルブの摩耗が早い
    硬質粒子や高充填タイプの材料を扱う際には、吐出機構の摩耗が進みやすく、定期的なメンテナンスや部品交換が必要となり、生産効率に影響していた。
  • 充填液の塗布量・流量調整が困難
    少量の精密塗布では、気泡混入や液だれ、過剰吐出によるオーバーフローなどのトラブルが起こりやすく、信頼性の高い封止が難しい状況でした。
  • 1ラインでダムとフィルを使い分けるには、段取り替えの負担が大きい
    塗布装置の切り替えや条件調整に手間と時間がかかり、多品種少量生産ラインには非効率でした。

導入効果

こうした課題に対し、当社ではダム用・フィル用それぞれに最適化された専用ディスペンサーバルブ(SV35DA/SV51)を推奨。両者の組み合わせ導入により、工程の安定性・再現性が大幅に向上し、量産現場における品質と生産効率の両立が可能となりました。


【ダム形成】SV35DA ピストンバルブ

  • 中~高粘度のエポキシ材料を安定的に吐出し、シャープで均一なライン形成が可能。
  • サックバック機構により液だれ・糸引きを防止し、終点の液だまりを抑制。
  • UHMWダイアフラムを採用した構造により、接液部の摩耗を抑えて高寿命。
  • パッケージ基板上の段差や複雑形状にも柔軟に追従し、確実なダム形成を実現。

【充填工程】SV51 微量塗布用ニードルバルブ

  • 0.001ccまでの微量を高精度にコントロールでき、狭小部への充填も正確に対応。
  • 流量制御が容易で、基板サイズや形状の違いにも柔軟に対応可能。
  • UHMWダイアフラムを採用した構造により、接液部の摩耗を抑えて高寿命。
  • 優れた液切れ性により、にじみや糸引きを防止。気泡混入のリスクも最小限に抑制。
  • シンプル構造かつメンテナンス不要で、数百万サイクルの繰り返し動作にも耐える長寿命設計。

塗布動画

導入製品

ピストンバルブ SV35DA

  • サックバック動作で液剤を確実にシャットオフ
  • UHMWダイアフラム採用により研磨性材料にも対応
  • 液ダレ・にじみを防ぎ、シャープなダムライン形成を実現
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微量塗布用ニードルバルブ SV51

  • 0.001ccの極小量まで正確に吐出可能
  • 気泡混入を防ぐシンプル構造
  • 優れた液切れ性で塗布終点も美しく、ローメンテナンス仕様
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