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スマートフォン・タブレット・ノートPC

フレキ基板へのシリコーン樹脂を線塗布し、高密度領域での安定塗布を実現

課題背景

スマートフォンやタブレットなどの小型電子機器では、フレキシブル基板(FPC)への高精度な液剤塗布が求められます。これらの基板はデバイスの小型化に伴い、回路間のスペースが極めて狭く、高密度な実装構造を持っているため、従来の装置では以下のような課題が発生していました。

  • 狭小スペースへの塗布制御が難しく、線幅が安定しない
    ノズルが部品間の隙間に入りきらず、線幅にばらつきが出たりすることで、絶縁不良や接触部の信頼性低下を招いていた。
  • 塗布エッジのにじみや液垂れ、膜厚の不均一
    低粘度のシリコーン樹脂であっても、吐出制御が安定していないと線端部でふくらみが生じたり、隣接部品へ液剤が回り込むなどの不具合が発生しやすい。
  • 手作業補正や検査工程の負担増
    不良発生率が高いことで、検査強化や再塗布対応が必要となり、生産ラインにおけるタクト遅延・工数増加・作業者負担増という悪循環が生まれていた。
  • 製品品質のばらつきと歩留まりの低下
    塗布状態にバラつきがあることで、同一製品でも性能差が出てしまい、信頼性やユーザー満足度への影響が懸念されていた。

導入効果

本工程に、高精度な容積移送式ディスペンサー「eco-PENシリーズ」を導入したことで、上記の課題が大きく改善されました。

  • ±1%以内の高精度な吐出により、線幅・塗布量が均一化
    容積制御による定量吐出が可能となり、塗布の始点・終点においてもふくらみや細りがなく、シャープで安定した塗布線が形成できるようになった。
  • 狭小部位でも安定した連続塗布を実現
    高密度部品間の隙間にも細径ノズルを正確に進入させ、スムーズな連続塗布が可能となったことで、リード部や配線部へのはみ出しが抑えられた。
    JETディスペンスで試したが、飛散(スプラッシュ)が起きて不具合が生じた。ノルで直接塗布出来るため不具合が無くなった。
  • リワーク頻度が低減し、タクトタイムも短縮
    塗布のばらつきが解消されたことで再塗布がほぼ不要となり、検査工程の負担が軽減されたと同時に、作業全体の効率も大きく改善された。
  • •製品信頼性と外観品質の向上
    線形・膜厚の均一性が確保されたことで、電気的絶縁性の安定と、仕上がり外観の均一化が実現。量産体制へのスムーズな移行も可能となった。

塗布動画

導入製品

容積移送式高精度マイクロディスペンサー
preeflow® eco-PEN300/450/600/700 3D

「均一」「高精度」「非脈動」を追求した容積制御式マイクロディスペンサースマートフォンやタブレットの微細FPC領域への塗布に最適で、繊細な線幅コントロールと液切れ性能に優れています。

  • ±1%以内の高精度吐出により安定した線塗布を実現
  • 脈動のない連続吐出で、吐出ムラ・膜厚不均一を徹底排除
  • サックバック機能内蔵で、ノズル先端の液だれ・糸引きを最小限に
  • ノズルヒーター対応により、温度変化による粘度変動にも柔軟に対応
  • 吐出量(mL/min、g/min)設定可能で、製品仕様ごとの定量化に貢献
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