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スマートフォン・タブレット・ノートPC

スピーカー部品への2液性接着剤を微小量・高精度で塗布し、混合比と位置精度の両立を実現

課題背景

スマートフォンやウェアラブル機器の小型化・高機能化に伴い、スピーカーやマイクなどの音響部品の実装スペースはますます狭小化しています。その中で、振動防止や固定用途として使用される2液性接着剤の精密塗布では、従来のディスペンス技術では以下のような課題が浮き彫りとなっていました:

  • 塗布位置が狭く微小で、ノズル到達が困難
    スピーカー周囲の実装エリアは曲面や段差が多く、ノズルが正確な角度と位置で近接できず、塗布ズレ・塗布ムラが発生しやすい。
  • 主剤と硬化剤の混合比にばらつきが出やすい
    2液を手動または外部混合式で供給していた場合、温度・吐出圧の微妙な変動で混合比がずれ、硬化不良や接着強度不足といったトラブルの原因になっていた。
  • 混合した液剤のムダが出ていた
    液剤を事前に混ぜて塗布をしていたため、液を余分に作り、余った液剤は廃棄となって無駄が発生していた。
  • 塗布量が極小であるため定量制御が難しい
    液量が数ミリグラム単位のレベルになると、既存装置では吐出開始時のバラつきが大きく、塗布安定性と再現性が確保できなかった。
  • 不良の発見が遅れやすく、リワークコストが高い
    接着不良の検出は組立後工程で判明することが多く、全体の歩留まり悪化・再作業の大幅増加につながっていた。

導入効果

この課題に対し、2液をリアルタイムに定量混合しながら吐出できる高精度ディスペンサー「eco-DUOシリーズ」を導入したことで、以下のような明確な改善が得られました:

  • 狭小部位でも正確な微小量塗布が可能に
    容積移送式ディスペンサーと精密制御ノズルの組み合わせにより、最小数mg単位での連続安定塗布が実現。角度や姿勢に制限されず、スピーカー周囲へのピンポイント吐出が可能となった。
  • ±1%以内の高精度な混合比制御を実現
    2液を別々に容積制御し、ノズル直前で定比率混合することで、温度や圧力の影響を受けずに理想の混合比が維持できるようになった。
  • 塗布安定性と接着信頼性の向上
    硬化不良の発生率が大幅に減少し、接着強度・接着位置のばらつきが改善。接合後の強度検査でも安定した結果が得られた。
  • 歩留まり改善と製造コストの最適化
    再塗布や修正作業が不要となり、トータルでの生産性が向上。品質管理工数の削減にも寄与し、コスト最適化にもつながった。

塗布動画

導入製品

容積移送式高精度マイクロディスペンサー
preeflow® eco-DUO330/450/600

2液を±1%以内の高精度で定量制御し、リアルタイム混合しながら吐出できる容積式ディスペンサー。 極小量塗布・定量混合が求められるエレクトロニクス製品の高信頼接着用途に最適です。

  • 圧力・温度・時間に影響されず、安定した混合吐出が可能
  • 脈動のない連続吐出制御で、微小量でも安定塗布
  • 各液を個別に制御するため、粘度差のある2液でも均一混合・高精度吐出が実現
  • ノズル一体型・加温対応など、多様なプロセスに拡張性あり
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