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ディスペンサー技術ガイド
接着剤、グリス、シリコーン、UV硬化樹脂などの液剤塗布は、電子部品、自動車部品、半導体をはじめとするさまざまな製造工程で行われています。生産数が少ない段階では、作業者がノズルや容器を操作する手作業でも対応できます。しかし、生産量の増加や製品の小型化、高精度化が進むと、塗布量や塗布位置にばらつきが生じやすくなります。
液剤の塗りすぎは、はみ出しや外観不良、材料コストの増加につながります。一方、塗布量が不足すると、接着強度不足、封止不良、潤滑不足などの原因になります。
こうした課題を改善する方法の一つが、ディスペンサーによる定量塗布です。ディスペンサーを導入することで、「必要な量を、必要な場所へ、安定して塗布する」工程を構築しやすくなります。
本記事では、手作業とディスペンサー塗布の違いを比較しながら、ディスペンサー導入によって期待できる品質改善、材料コスト削減、生産性向上などのメリットについて解説します。
手作業による塗布には、設備投資を抑えやすく、少量生産や試作に柔軟に対応できるというメリットがあります。一方で、塗布量や塗布位置を作業者が感覚的に調整するため、生産量の増加や作業時間の長期化に伴い、次のような課題が起こりやすくなります。
特に、微小部品への点塗布、細いラインの形成、狭小部への塗布では、わずかな吐出量や塗布位置の違いが製品品質に影響します。
| 項目 | 手作業による塗布 | ディスペンサーによる塗布 |
|---|---|---|
| 塗布量 | 作業者によって変動しやすい | 設定条件に基づき管理しやすい |
| 再現性 | 作業状態に左右される | 同じ条件で繰り返し塗布しやすい |
| 作業速度 | 作業者の能力に依存する | 一定のサイクルで作業しやすい |
| 材料使用量 | 塗りすぎが発生しやすい | 必要量に近づけやすい |
| 品質管理 | 作業者ごとの確認が必要 | 条件管理と標準化がしやすい |
| 多品種対応 | 比較的柔軟 | 条件登録や治具交換で対応 |
| 初期費用 | 小さい | 装置・周辺機器の費用が必要 |
| 自動化対応 | 難しい | ロボットや自動機へ展開可能 |
このように、手作業には柔軟性がある一方、生産量や要求精度が高まるほど、品質のばらつきや作業負担が課題になりやすくなります。こうした課題を改善する方法の一つが、ディスペンサーによる定量塗布です。
ディスペンサーは、吐出時間、圧力、ノズル径などの条件を設定して液剤を吐出します。条件を適切に管理することで、作業者の感覚に依存した塗布と比べて、吐出量を安定させやすくなります。
例えば接着剤の場合、塗布量が少なすぎると接着強度不足につながり、多すぎるとはみ出しや外観不良が発生します。ディスペンサーによる定量塗布は、このような過少塗布と過剰塗布の両方を抑えるために有効です。また、同じ条件を登録して繰り返し使用できるため、製品やロットごとの品質管理もしやすくなります。
手作業では、塗布不足を避けるために必要量より多く液剤を塗布してしまうことがあります。特に、導電性ペースト、放熱材料、UV硬化樹脂などの高価な液剤では、わずかな過剰塗布でも年間では大きな材料費につながります。
ディスペンサーによって吐出量を管理することで、液剤使用量の削減に加え、清掃、手直し、再塗布、不良廃棄などの工数やロスの低減も期待できます。ただし、削減効果は液剤価格、生産数、現在の塗布量、不良率によって異なるため、導入前の塗布テストで比較することが重要です。
ディスペンサーを使用すると、設定した吐出時間と圧力によって一定の動作で塗布できます。作業者が毎回塗布量を目視で調整する必要が減るため、作業時間を安定させやすくなります。さらに、卓上ロボットや自動機と組み合わせることで、点塗布、線塗布、円形塗布、面塗布などを自動化できます。
手作業で高精度な塗布を行うには、一定の経験や技能が必要です。ベテラン作業者は安定した塗布ができても、新しい作業者が同じ品質に到達するまでには、教育と訓練の時間がかかります。
ディスペンサーを導入し、圧力、時間、ノズル、塗布位置などの条件を標準化することで、作業者による仕上がりの差を抑えやすくなります。また、設定条件を作業手順書と合わせて管理すれば、作業の引き継ぎや海外工場への工程移管も行いやすくなります。
ディスペンサーは塗布品質や生産性の向上に効果的ですが、液剤に適した条件設定や定期的なメンテナンスが重要です。液剤の粘度や特性に応じた調整に加え、ノズルの清掃や消耗品の交換を適切に行うことで、安定した塗布品質を維持できます。
また、少量の試作や研究用途などでは、 手作業の方が効率的な場合もあります。量産工程や品質の安定化を目的とする場合は、 ディスペンサー導入の効果が期待できます。
手作業による液剤塗布を定量化する場合、シリンジに充填した液剤をエアー圧で押し出す「エアパルス式ディスペンサー」が代表的な選択肢となります。吐出時間、エアー圧、ノズルサイズなどの条件を設定することで、接着剤、グリス、シリコーンなどの液剤を安定して吐出しやすくなります。少量多品種の手作業から、自動機に組み込んだ塗布工程まで、用途や生産規模に応じて運用できます。
サンエイテックでは、エアパルス式ディスペンサーとして「SDP420」と「SDP520」をご用意しています。手作業による定量塗布をシンプルに始めたい場合はSDP420、より細かな条件管理や自動機への組み込みを重視する場合はSDP520が選択肢となります。
SDP420は、接着剤や潤滑剤などの各種液剤を高精度に吐出できる精密ディスペンサーです。バキューム制御やティーチング機能を備えており、安定した定量塗布を簡単に行いたい工程に適しています。
SDP520は、細かな条件設定と連続安定吐出に対応したハイクラスディスペンサーです。手作業での使用に加え、自動機への搭載を検討している場合にも対応できます。

エアパルス式ディスペンサー SDP420・SDP520
製品詳細はこちらディスペンサーの選定では、液剤の種類や粘度、必要な塗布量、生産数量などによって最適な仕様が異なります。サンエイテックでは、実際の液剤・ワークを用いた塗布テストや、用途に合わせた機種選定をサポートしています。塗布品質の改善や材料コスト削減、自動化をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。