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ディスペンサー技術ガイド

コンフォーマルコーティングの塗布方式とは?

~フィルム・ブラシ・スプレー・ニードル・ジェット方式を比較~

コンフォーマルコーティング(Conformal Coating)とは、電子基板表面に薄い保護膜を形成し、湿気・塵埃・腐食性ガスなどから電子回路を保護する技術です。使用する材料や要求品質によって最適な塗布方式は異なり、生産性や塗布精度にも大きく影響します。

そのため、コンフォーマルコーティング工程では、材料特性と用途に応じた適切な塗布方式の選定が重要となります。塗布方式の違いによって、膜厚均一性や塗布精度、生産性、材料対応力は大きく変化します。

本資料では、各塗布方式の特徴と適用領域を整理し、用途に応じた最適な装置選定の考え方について解説します。

コンフォーマルコーティングの塗布イメージ

コンフォーマルコーティングにおける塗布方式の役割

コンフォーマルコーティングでは、使用する材料の粘度や求められる膜厚、塗布対象の形状によって適した塗布方式が異なります。

同じコンフォーマルコーティング材料を使用した場合でも、選定する塗布方式によって膜厚均一性や塗布精度、生産性に差が生じることがあります。そのため、材料選定だけでなく、塗布方式の選定も品質確保の重要な要素となります。

塗布方式選定が重要な理由

コンフォーマルコーティング(防湿コーティング)工程では、膜厚均一性や塗布精度、生産性を安定して両立することが求められます。

電子機器の小型化・高密度化が進む中で、「必要な箇所へ必要な量だけ塗布する」選択的・精密塗布への要求が高まっています。そのため、防湿コーティング工程では、用途や材料特性、要求品質に応じて最適な塗布方式を選定することが重要です。

塗布方式の違いによって、膜厚均一性や塗布精度、生産性、材料対応力は大きく変化します。同じ材料を使用していても、選定する塗布方式によって、塗布品質や生産安定性に差が生じる場合があります。

各塗布方式の特徴

コンフォーマルコーティング工程では、用途や材料特性に応じて複数の塗布方式が使い分けられています。本章では、代表的な塗布方式である「フィルム式」「ブラシ式」「スプレー式」「ニードル式」「ジェット式」について、それぞれの特長と適用ポイントを解説します。

フィルムコート式→ 面塗布・均一性重視の工程に適した方式

フィルムコート式は、広いエリアへ均一な膜厚で塗布しやすい方式です。基板全体や連続ラインでの塗布に適しており、安定した塗布品質を実現しやすい点が特長です。

また、塗布範囲を比較的コントロールしやすく、用途によってはマスキング工数低減にも有効です。


塗布方式 特徴・メリット
フィルムコート式 ・高速塗布が可能
・均一な膜厚形成
・正確な塗り分けが可能
・非接触塗布
フィルムコート式塗布イメージ

ブラシ式→ 簡易塗布や凹凸形状への対応に適した方式

ブラシ式は、凹凸形状へ柔軟に追従しやすく、比較的シンプルな構成で塗布できる方式です。高粘度材料にも対応しやすく、部分塗布や簡易工程で採用されるケースがあります。

ワーク形状への追従性が高く、用途に応じた柔軟な運用が可能です。


塗布方式 特徴・メリット
ブラシ式 ・原液塗布対応
・高粘度材料対応
・ある程度正確な塗り分け
ブラシ式塗布イメージ

スプレー式→ 広範囲・高速塗布に適した方式

スプレー式は、非接触で広範囲を高速塗布できる方式であり、複雑形状や凹凸ワークにも対応しやすい点が特長です。

また、条件設定によって塗布範囲や膜厚を調整できるため、生産性を重視した工程にも広く採用されています。


塗布方式 特徴・メリット
スプレー式 ・薄膜を均一に塗布
・ヘッド選定により広範囲・狭小部対応
・非接触塗布
原液又はそれに近い液の塗布イメージ

原液又はそれに近い液の塗布

高粘度(シリコーン等)イメージ

高粘度(シリコーン等)

希釈液の広角塗布イメージ

希釈液の広角塗布

希釈液の局所塗布イメージ

希釈液の局所塗布

ニードル式→ 高粘度材料の精密塗布に適した方式

ニードル式は、ノズルから液剤を接触または近接状態で吐出する方式であり、点塗布や線塗布に適した高精度塗布が可能です。

特に高粘度材料への対応力に優れており、狙った箇所へ安定した塗布を行いやすい点が特長です。また、塗布条件を細かく制御しやすいため、精度を重視する工程にも適しています。


塗布方式 特徴・メリット
ニードル式 ・ピンポイント塗布
・極小部品対応
・高粘度材料対応
ニードル式塗布イメージ

ジェット式→ 狭小部・高精度塗布に適した方式

ジェット式は、非接触で微量の液剤を高速吐出できる方式であり、狭小部やピンポイント塗布に適しています。

必要な箇所へ選択的に塗布できるため、マスキング工程低減や高精度塗布に有効です。近年では、高密度実装化に伴う微細塗布需要の高まりから、適用領域が拡大しています。


塗布方式 特徴・メリット
ジェット式 ・非接触ピンポイント塗布
・極小部対応
・高精度塗布
ジェット式塗布イメージ

塗布方式の選定目安

塗布方式 対応粘度 対応膜厚 塗布範囲 塗布速度
タクト
接触有無 推奨製品 主な用途
フィルムコート式 低粘度 中厚 広範囲 高速 非接触 SV70 / SV01CS 基板全面への均一塗布
ブラシ式 低~高粘度 厚膜 広範囲 中速 接触 ブラシ
ノズル
凹凸部や
高粘度材料
の塗布
スプレー式 低~高粘度 薄膜 狭~広 中速 非接触 SV92FL 防湿コーティング・
広範囲塗布
ニードル式 低~高粘度 厚膜 狭範囲 低速 接触/
近接
SV59MD 微量・精密塗布
ジェット式 低~中粘度 中厚 狭範囲 低速 非接触 EXJET 狭小部への
高精度塗布
塗布方式選定イメージ

塗布方式の選定ポイント

コンフォーマルコーティングの品質を安定させるためには、塗布対象の形状・求められる塗布精度・使用材料の特性を総合的に考慮することが重要です。高密度実装化に伴い、「必要な箇所へ必要な量だけ塗布する」選択的塗布への要求が高まっており、塗布方式による特性差が工程品質へ与える影響も大きくなっています。


単純な塗布速度や設備コストだけではなく、工程全体の安定性を含めて最適な方式を選定することが重要となります。

まとめ

コンフォーマルコーティング(防湿コーティング)工程では、塗布方式の違いが塗布品質・生産性・工程安定性に大きく影響します。高密度実装化に伴い、「必要な箇所へ必要な量だけ塗布する」選択的・高精度塗布への要求が高まっています。塗布対象・材料特性・要求精度に応じて、最適な塗布方式を選定することが重要となります。