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お客様の精密塗布の基礎から応用までわかりやすくまとめ、現場改善に役立つヒントをご紹介します

ディスペンサー技術ガイド

電子機器の小型化・高密度実装化が進むなか、基板や電子部品を湿気や振動などから保護する方法として、ポッティングが用いられています。一方、ポッティング工程では、気泡の混入、吐出量や充填高さのばらつき、2液材料の混合不良、材料粘度の変化、硬化不良など、さまざまな課題が発生します。

本記事では、ポッティングの基礎知識をはじめ、シリコーン樹脂・エポキシ樹脂・ポリウレタン樹脂の違い、工程で発生しやすい課題、1液性と2液性ポッティング剤の特徴、安定した定量塗布を行うためのポイントについて解説します。

ポッティングとは?

ポッティングとは、ケースや筐体の内部に収められた基板、電子部品、端子、センサーなどへ樹脂を注入し、硬化させることで、部品を封止・保護する方法です。主に、次のような目的で使用されます。

吐出時間、圧力、ノズル径などの条件を設定することで、手作業では難しい定量吐出や再現性の高い塗布を実現しやすくなります。そのため、塗布品質の安定化、生産性の向上、材料使用量の適正化、作業工程の標準化などに活用されています。


  • • 電気的絶縁
  • • 防湿・防水・防塵
  • • 振動や衝撃からの保護
  • • 部品や配線の固定
  • • 耐久性・耐候性の向上

ポッティングは、センサー、コネクタ、モーター、コイル、制御ユニット、自動車電装部品など、さまざまな電子・電装部品に使用されています。


関連事例:スマートウォッチ基板への精密ポッティング材塗布で小型電子部品を保護

ポッティングイメージ

ポッティング剤の種類と特徴

ポッティング剤には、主にシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂があり、用途や必要な特性に応じて選定されます。シリコーン樹脂は柔軟性・耐熱性、エポキシ樹脂は接着性・機械的強度・電気絶縁性、ポリウレタン樹脂は柔軟性と強度のバランスに優れています。


項目 シリコーン樹脂 エポキシ樹脂 ポリウレタン樹脂
主な特長 柔軟性・
耐熱性に優れる
接着性・機械的強度・
絶縁性に優れる
柔軟性と強度の
バランスに優れる
硬化後の状態 比較的柔らかい 比較的硬い 柔軟~半硬質
適した用途 温度変化や振動がある部品 定力や強度が必要な部品 振動・衝撃を受ける電子部品
主な注意点 硬化方式、気泡、硬化阻害 混合比、硬化発熱、収縮 混合比、水分混入、発泡

※上記は一般的な傾向です。実際の特性は、材料のグレード、配合、硬化条件によって異なります。

ポッティングはなぜ難しいのか

ポッティングは、単にケース内へ樹脂を充填すればよい工程ではありません。使用するポッティング剤の粘度や硬化特性、ワーク形状、注入位置、吐出量、材料温度などによって、樹脂の流れ方や硬化後の状態が変わります。特に量産工程では、毎回同じ位置へ同じ量を充填し、気泡や未充填、あふれ、硬化不良を抑える必要があります。材料特性とワーク条件に合わせて、供給・計量・混合・吐出方法を検討することが重要です。

eco-DUOMIXポッティング塗布イメージ

ポッティング工程で発生しやすい課題

気泡や空隙が残る

ポッティング剤の注入時に空気が巻き込まれ、硬化後に気泡や空隙が残ることがあります。特に、段差や狭い隙間、部品が密集した箇所では樹脂が回り込みにくく、気泡や未充填部分が封止性、絶縁性、接着性などに影響する可能性があります。

吐出量や充填高さが安定しない

ポッティング量が少ないと、必要な範囲を十分に覆えず、部品の固定や保護が不十分になる場合があります。一方、多すぎると、ケースからのあふれや周辺部品への付着、材料使用量の増加につながります。

2液材料の混合が安定しない

2液性ポッティング剤では、主剤と硬化剤を所定の比率で計量し、均一に混合する必要があります。混合比のずれや混合不足は、未硬化、硬さのばらつき、密着不良、強度や耐久性の低下につながる可能性があります。

粘度や材料状態が変化する

ポッティング剤の粘度は、材料温度、保管状態、使用時間などによって変化します。粘度が高いと細部へ流れ込みにくくなり、流動性が高すぎると必要以上に広がる場合があります。また、フィラーを含む材料では、沈降や成分分離にも注意が必要です。温度・粘度・吐出量の関係については、「液剤ディスペンスにおける温度管理の重要性とそのメカニズム」で詳しく解説しています。

硬化不良・発熱・収縮が発生する

混合比や硬化条件が適切でない場合、未硬化や部分的な硬化不良が発生する可能性があります。また、材料によっては硬化時に発熱や収縮が生じるため、充填量や硬化条件を適切に設定する必要があります。

1液性と2液性ポッティング剤の違い

ポッティング剤には、あらかじめ調製された状態で使用する1液性と、主剤と硬化剤を使用時に混合する2液性があります。それぞれ取り扱い方法や管理項目が異なるため、材料特性や生産条件に応じて選定します。


  1液性ポッティング剤 2液性ポッティング剤
使用方法 原則として混合せずに使用 主剤と硬化剤を所定比率で混合
主な特長 取り扱いやすく、混合比のずれがない 用途に応じた硬化特性を選びやすい
管理ポイント 保管条件、使用可能時間、硬化条件 混合比、吐出量、混合状態、可使時間
主な設備 1液用ディスペンサー 2液ディスペンサー、ミキサー
主な注意点 冷蔵保管、加熱硬化、湿気管理が必要な場合がある 混合不足や比率のずれによる硬化不良に注意

※上記は一般的な傾向です。実際の保管条件、混合比、可使時間、硬化条件は、材料の種類や硬化方式によって異なります。
量産工程で2液性ポッティング剤を使用する場合は、2液ディスペンサーで主剤と硬化剤を個別に計量し、スタティックミキサーやダイナミックミキサーで混合しながら吐出する方法があります。

1液性ポッティング剤イメージ図

1液性ポッティング剤

2液性ポッティング剤イメージ図

2液性ポッティング剤

安定したポッティングを行うためのポイント

安定したポッティングを行うには、材料特性とワーク形状に合わせて、材料状態、供給条件、混合条件、吐出条件を適切に管理することが重要です。

  • 材料の均一性を保つ:使用前の脱泡、低い位置からの充填、吐出速度やノズル高さの調整などにより、材料への空気混入やワーク内への気泡残留を抑えます。
  • 吐出量と注入位置を設定する:必要な充填量と充填高さを明確にし、ワーク形状に合わせて注入位置、吐出速度、ノズルの動作条件を設定します。
  • 液材料の計量・混合条件を管理する:主剤と硬化剤の混合比、各液の吐出量、混合状態、可使時間を管理し、安定した硬化につなげます

※加温、予熱、脱泡などの条件は、材料メーカーが指定する保管条件・使用条件を確認したうえで設定します。

ポッティングにおすすめの製品

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ポッティング工程では、材料特性やワーク形状に合わせて、気泡、粘度、吐出量、混合比、硬化条件などを適切に管理することが重要です。量産工程では、ディスペンサーによる定量塗布が品質の安定化につながります。

サンエイテックでは、1液・2液ポッティング剤に対応するディスペンサーや材料供給装置、塗布ロボットをご提案しています。